優雅な平日の午後 フェルメール展とえびさま(I)


私の会社には半日有給休暇というシステムがあります。有給休暇が半日単位で取れるのです。ですから今年の有給休暇取得1.5日とか5.5日などとなります。
子供が小さいころは午前中学校とか午後PTAなどと有効に利用していました。最近は美術鑑賞などに当てます。

昨日は正午のチャイムと同時に準備し会社を出ました。

まず、上野に向かいます。途中駅の立ち食いでうどんとお稲荷さんで昼食です。

ところが、会社を出たときは明るかった空が真っ暗で、上野は大雨です。不忍口から出てガード下を横断歩道を渡り、5m雨の中を走ってビルに飛び込みます。「ヨドバシカメラ」です。
「CANON IXY Digital 20」の調子が悪いので買い替えです。「CANON IXY Digita 25IS」と決めていたのでさっさと売り場へ。驚いたことに25ISは20ISに比べ100円高いだけです。25ISの1,000万画素ISO3200に対し20ISは800万画素ISO1600。その差がたった100円。「25IS」の方が売れ筋なので安くなっているとのこと。20ISは普通に使うには十分な性能なのでおしゃれを気にする若い人に売れていてこの値段でもこちらを選ぶ人も多いということでした。マーケティングですね。
壊れた20IS下取りに出して、値引きしてもらい購入。担当したの販売員はタイミングよく「このカメラを使うには、液晶保護のフィルム、SDカード....」と簡単に説明します。押し付けるわけでもなく普通に使おうとするとこういうのが必要ですよと。思わずこの販売のプロを見てしまいました。保護フィルムだけいただきました。ポイントを使い14,000円でゲット。

「ヨドバシカメラ」では傘(525円)も売っていたのでポイントで購入。東京都美術館へ向かいます。

「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」です。30数点(36とか37とか)しか残さなかったフェルメールの7作品が展示されるというのが目玉です。昨年丁度この時期「牛乳を注ぐ女」が国立新美術館で展示されました。日本人は本当にフェルメールが好きです。。
こういう企画展示ではフェルメールに到る美術の流れ、歴史的背景、与えた影響などがテーマとして企画されているので単独に美術館で作品だけを見るよりより作品を理解できるので嬉しいです。
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デルフトの運河の絵から始まりフェルメールの時代の作品がフェルメールに与えた影響がわかります。ヨーロッパ、特にオランダ地方の冬に備えた窓の少ない暗い部屋で光がどんなに渇望されていたかはいろいろな絵で分かります。
パウルス・ボッテルの「馬車の人々と馬」の逆光やヘラルト・ハルクヘーストの「ウィレム沈黙公
の廟墓のあるデルフト新教会」の光などが展示されています。解説によるとフェルメールはビーテル・デ・ホーホの「訪問」に注目していたらしい。確かにフェルメールへの影響は明白にわかる。で・ホーホ「窓辺で手紙を読む女」は構図は正にフェルメールがまねしたに違いないと思われます。

2階へあがるとフェルメールの展示です。「マルタとマリアの家のキリスト」「デイアナとニンフたち」「小路」「ワイングラスを持つ娘」「リュートを調弦する女」「手紙を書く婦人と召使」「ヴァージナルの前に座る若い女」です。
私がまず注目したのは「小路」。珍しく外の風景だからです。家の壁や窓にフェルメールらしさを感じますが全体の雰囲気は他の作品と異なるものです。こういう作品もあるんだというのが印象です。もちろんデッサン、構図や技術など完璧です。大好きな作品になりそうです。
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「リュートを調弦する女」の女性が気になりました。構図はフェルメールの特徴があり、背景の地図、左手の机、窓、壁の陰影、全て完璧。
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私が好きだったのは、「絵画芸術」が作品保護のため来日できなくなった代わりに特別展示された「手紙を書く婦人と召使」です。フェルメールの上記の特徴に加え、衣装やテーブルクロスの布の肉質や精巧さが感嘆に値します。また、この作品では召使の表情にも着目です。主人を見るのではなく無関心気に目をそらしている。そういう心理描写は「ワイングラスを持つ娘」でもありますがフェルメールには珍しいです。
この作品の窓は7作品の中では一番完成度が高い。模様、確度、精密さ、窓の明るさ全て計算尽くされています。それだけでこの作品を見る価値がありました。
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展覧会は多くの人で賑わっていました。作品の前では前に行くのに5分以待たないといけなかったと思います。平日の午後ということも会って女性が大部分ですがビジネススーツの男性も結構いらしたので、その人気振りが分かります。

まず、ひと通り3階まで見て上記3作品を再度見て帰りました。歌舞伎に行く時間までの2時間じっくり鑑賞しました。
出口の近くに朝日新聞の「be」の号外がありこの展覧会の特集となっていました。非常に参考になりました。判明しているフェルメール全36作品の紹介もありました(ダブルクリックで拡大)。
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急いで日比谷線上野駅にダッシュ。雨は上がっていました。東銀座の新橋演舞場に向かいます。

続きは次回に。時間の関係ですみません。

[美術鑑賞目次]
by AT_fushigi | 2008-09-12 16:27 | 美術鑑賞・博物館 | Comments(4)
Commented by うさぎ at 2008-09-13 20:39 x
わ!フェルメール展いらしたんですね。
フェルメール好きなので、とっても楽しみにして、前売り券を買ったのですが、まだ行けていません(__)
Commented by AT_fushigi at 2008-09-13 22:49
うさぎさん
コメントありがとうございました。うさぎさんのアクティブさの半分でもと、出来るだけこのような展示会は行くようにしています。
フェルメール展是非行って下さい。「手紙を...」は修復されデスクに掛かっている布の色、刺繍が本物の布ではないかと目を見張ります。
赤坂シティの歌舞伎ですが、劇場が歌舞伎向けではなかったとか。勘三郎も歌舞伎の楽しさを広げている人。毎年何に挑戦するのか楽しみです。歌舞伎も応援していきましょう。
そうそう、本業の海外の旅のほうもブログの写真が最近きれいになって見ているだけで楽しくなります。
Commented by galleriaarsapua at 2008-09-14 04:27
またまた登場します。AT_fusihgiさんが立ち食いでおそばといなり寿司なんてなんて渋いんでしょう!とますます人物に興味を抱いております。
フェルメール展、鑑賞素晴らしいですね。
東京の文化レヴェルの高さには本当に感心します。
Commented by AT_fushigi at 2008-09-15 00:23
Kazukoさん
続いてのコメントありがとうございます。最近、良い展覧会が開催されるので楽しみです。出張帰りや午後有給休暇で出かけます。
会場では年配の方に混じって若い女性を多く見かけ心強く思っています。
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