迫力!大琳派展-継承と変奏-


大琳派展に行ってきました。1回目は4枚の風神雷神が揃い踏みするのが10月28日以降と知らずに10月26日に出かけ(俵屋宗達無し)、2回目は揃い踏みを見たくて11月に入って出かけました。確認しないで出かけたのがいけなかったのですが広告は紛らわしいです。特にJRの大きな広告は俵屋宗達の風神雷神でありこれが期間中展示されていないのは問題だと思いました。2回目はハンマースホイを鑑賞した後、周りました。
見ていらしゃらない方には申し訳ないのですが、やはり、俵屋宗達の風神雷神はオリジナルの持つ迫力があります。他の風神雷神を見るとその差に吃驚してます。
久しぶりに日本画を堪能しました。

■ 展覧会情報
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尾形光琳生誕350周年記念 
特別展「大琳派展-継承と変奏-」
-- 東京国立博物館 平成館
-- 2008年10月7日(火)~11月16日(日)
    09:30~17:00(金曜日は~20:00、土・日・祝は~18:00)
    休館:月曜日(月曜日祝日の場合は火曜日)
-- 当日 大人1,500円、大学1,200円、高校生900円、中学以下無料
-- 概要
 2008年は、江戸時代の芸術家尾形光琳が生まれて350年目にあたる。
  光琳は、斬新な装飾芸術を完成させ、「琳派」という絵画・工芸の一派を大成させた。
  琳派は、代々受け継がれる世襲の画派ではなく、光琳が本阿弥光悦、俵屋宗達に私淑し、
  その光琳を、酒井抱一らが慕うという特殊な形で継承されてきた。
  本展は、その琳派を代表する本阿弥光悦・俵屋宗達・尾形光琳・尾形乾山・酒井抱一・
  鈴木其一の6人の優品により、琳派芸術を展望しようとするもの。
  琳派の豊かな芸術世界を楽しめる。

■ 展覧会

風神雷神4作品揃い踏みの前後2回鑑賞した。この目玉が期間の半分というのは問題だと思う。特に1回目の訪問では光琳の燕子花図屏風も無く損をした気分になった。パンフレットにある主要作品に週で差があるのは問題だと思う。
平成館では2回にエスカレータで上がったところがメイン会場、入り口にデジタル模写作品が展示されていた。
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2回とも多くの人が来て、絢爛豪華な日本画を楽しんでいた。働き盛りの男性世代が少ないようだが、世代男女関係無く広い範囲の人がいた。
会場はまず風神雷神の揃い踏み。その後、3つの時代毎に構成された展示が続く。時々、時代間の継承を示す作品を比較のために適時展示されていた。構成は良く考えられていたと思う。
特に風神雷神に三面囲まれたコーナーは興奮気味の人で溢れ、声を出して感想を言う人が多くざわついていた。稀な価値のある展示だ。

■ 図録

豪華な図録。3,000円は高いが内容・装丁等から見ると相当か。ただ、屏風、巻物など大型の作品は本物の迫力を感じ取るのは難しい。
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■ 展示作品

入り口から興奮気味になる。4人の風神雷神だ。
宗達の風神雷神図屏風、それを模写した光琳の風神雷神図屏風、それを模写した抱一の風神雷神図屏風、其一の風神雷神図襖(図録の写真は違いを見せるのは困難なので公式HPから引用する)。

俵屋宗達(たわらや そうたつ)1570年ごろ(推定)-1643年没
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尾形光琳(おがた こうりん)1658年-1716年没
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酒井抱一(さかい ほういつ)1761年-1829年没
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鈴木其一(すずき きいつ)1796年-1858年
横幅がノーマライズされていたので其一の作品は小さくなってしまった。また、襖は本物は4x2=8枚構成が6枚となっている。
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会場で宗達、光琳、抱一の金屏風を比較しながら見ているとずいぶんな差に気が付く。
(1)見たときの風神雷神の高さが違う。宗達のが高い。
(2)風神雷神の視線が違う。宗達は下界を見ているが光琳・抱一は互い。(1)にも影響。
(3)筆使いが違う。宗達は力強いが丁寧に書かれていると感じた。
(4)顔の表情。宗達に比べ光琳・抱一のほうが柔和。愛嬌がある。
(5)雲が違う。宗達に比べ光琳・抱一は雲が濃くしっかり書いてあり乗っている感じ。

また、今は別々に装丁されているが、光琳の「風神雷神屏風」の裏面に、酒井抱一が「夏秋草図」を描いた。雷神の裏に夕立に打たれる夏草と水の流れ、風神の裏に風に吹き乱される秋草を書いた。表が金色なのに対し銀色の背景となっている。この「夏秋草図」は抱一の特徴が良く出ていると思う。
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継承作品として「西行法師行状絵」があり宗達と光琳の作品が展示されていた。

俵屋宗達筆 西行法師行状絵 巻第三 1巻(6巻のうち) 江戸時代・17世紀 文化庁蔵
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尾形光琳筆 西行法師行状絵 巻第四 1巻(4巻のうち) 江戸時代・18世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
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以降、4つの章立ての膨大な作品のうちから独断で選んでみた。解説はHPのを要約した。

第1章 本阿弥光悦・俵屋宗達

本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)1558年-1637年没:刀剣の研磨・鑑定の家業を継ぐ傍ら諸芸に通ず。公家・武家・上層町衆と広い交流。家康より拝領した鹿ヶ峰に光悦村を作りアートコーディネータとして際の高く評価される。
俵屋宗達:その生涯は明らかではない。京都で扇絵の工房「俵屋」を主宰。宮廷の仕事にもかかわり一流の絵師とみなされていた。

伝俵屋宗達筆 草花図屏風 6曲1隻 江戸時代・17世紀 奈良・大和文華館蔵
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伝俵屋宗達筆 桜芥子図襖 4面 江戸時代・17世紀 東京・大田区立龍子記念館蔵
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伝俵屋宗達筆 月に秋草図屏風  6曲1双 江戸時代・17世紀 東京・出光美術館蔵
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本阿弥光悦作 黒楽茶碗 銘 雨雲 1口 江戸時代・17世紀 東京・三井記念
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第2章 尾形光琳・尾形乾山

尾形光琳:京都の呉服屋の次男。宮廷画家として活躍。1704年江戸に出て豪商や大名の家に出入りする。晩年は京都に戻る。
尾形乾山(おがたけんざん)1663年-1743年没:光琳の弟。仁清の御室窯に出入り。後に鳴滝の山荘で作陶開始。1731年江戸に下り生涯を終わる。

伝尾形光琳筆 紅白梅図屏風 6曲1双 江戸時代・18世紀 東京・出光美術館蔵
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尾形乾山作 色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿 12枚 江戸時代・18世紀 個人蔵
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第3章 光琳意匠と光琳顕彰
(省略)

第4章  酒井抱一・鈴木其一
酒井抱一:姫路藩藩主の弟。江戸生まれ。京のものとは一風違った琳派の画風を江戸に根付かせる。
鈴木其一:抱一の内弟子。抱一没後開花。

酒井抱一筆 四季花鳥図巻 2巻 江戸時代・文化15年(1818) 東京国立博物館蔵
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酒井抱一筆 十二ヶ月花鳥図 12幅 江戸時代・19世紀 米国・ファインバーグ・コレクション
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■ 感想

最初は2回行かなければならなくなったことへの不満があったが、2回見て今は非常に満足している。それくらい大きな展覧会であった。
今回は本物の迫力という物を認識した。


[美術鑑賞2008]
by AT_fushigi | 2008-12-10 23:00 | 美術鑑賞・博物館 | Trackback | Comments(1)
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Commented at 2008-12-11 11:52 x
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