観劇2008年01月-KABUKI-松竹座


夜の部の演目は観た事有りませんので楽しみに出かけました。

■ 概要

大阪松竹座
「壽 初春大歌舞伎」
  平成21年1月3日(土)~27日(火)
  昼の部 午前11時~
    一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 鳥居前
    二、良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい) 二月堂
    三、玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう) 吉田屋
    四、お祭り(おまつり)/仁左衛門、孝太郎
  夜の部 午後4時~
    一、通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)

夜の部を観ました。
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■ 幕前

松竹座の前も正月とあって華やかさがある。舞妓さんの姿も。仁左衛門さんと言うこともあり年齢層が少し高めかも知れない。
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■ 筋書

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■ あらすじ

通し狂言「霊験亀山鉾」は2002年10月に仁左衛門が国立劇場で70年ぶりに復活させたそうだ。初めて観たのだが、役が多く、仁左衛門と愛之助が二役演じるので、筋書から目が離せない。途中に、舞踊が入るが唐突。亀山鉾が正月らしくないので挿入されたのだろう。

「霊験亀山鉾」は仇討ち話。石井家所縁の人々が苦労して藤田水右衛門を討つ話である。石井家所縁の人は、闇討ちにあう石井右内、右内の弟:兵介、右内の養子:源之丞、源之丞の長男:源次郎。
以下筋書を元にあらすじを述べる。

発端:藤田水右衛門は仕官をかけた石井右内との立会いに破れ、その腹いせに右内を闇討ちして殺し、「鵜の丸の一巻」という秘伝の巻物を奪う。

序 幕 
甲州石和宿棒鼻の場
      
石井右内の弟、兵介(進之介)は石和宿で藤田水右衛門(仁左衛門)を発見し、掛塚官兵衛の立会のもと敵討ちをしようとする。しかし、官兵衛は水右衛門の父・卜庵に頼まれて仇討ち前の清めの水に毒を混ぜたため、兵介は返討ちにあってしまう。金六が騙し討ちに悔しがる。
最後に水右衛門が兵介の止めを刺す場面。兵介は頭を観客に向け大の字で仰向けに倒れている。水右衛門は兵介の胸に刀を垂直に立て止めを刺す。すると兵介は両手両足を上斜めに持ち上げ絶滅する。
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播州明石網町機屋の場
播州明石では、お松が機を織っている。父作介と足腰がたたない難病の源次郎と赤ん坊と一緒に住んでいた。お松の夫・石井源之丞は(愛之助)お松とのことで、実家を勘当され、親戚の石井右内の家に養子になっていた。
飛脚が石和宿の仇討ちを伝えるが、瓦版で兵介が返討ちぬあったことを知る。源之丞は家宝・千寿院力王と仁王三郎という刀を携え、下部の文蔵とともに仇討の旅にでる。
  
二幕目 
駿州弥勒町丹波屋の場

駿州の揚屋、丹波屋。掛塚官兵衛はめあての芸者・おつまが一向に姿を見せないのでいらだっている。
そこへおつまが香具屋の弥兵衛と一緒に帰ってくる。実はこの弥兵衛は源之丞の世をしのぶ姿で、しかもおつまは源之丞の子を宿していた。
掛塚官兵衛と女将おりきが奥の座敷に去った後に下部の金六が現れ、水右衛門の顔を知らない源之丞のために水右衛門にそっくりな役者の姿絵が描いてある団扇をおつまに渡す。
そこへ水右衛門そっくりな八郎兵衛(仁左衛門の二役)がやってくる。ちょうど水右衛門に父卜庵からの手紙と金を届けにきた中間は、八郎兵衛を水右衛門ととりちがえ金と手紙を渡す。
にわかに金持ちになった八郎兵衛はおつまを身請けすると言いだす。はじめはいやがるおつまだが、八郎兵衛が団扇の絵にそっくりなのに気づき、源之丞に愛想尽かしたふりをして八郎兵衛と一緒になると言いだす。
その時、二階奥間からちらと顔をのぞかせた水右衛門がおまつの鏡に映り、おつまは人違いに気が付く。おりきは、主筋にあたる水右衛門をこの家の一間にかくまっていたのだ。
おつまは八郎兵衛から逃げようとすると、ちょうどそこへ寺から使いがきて仕方なく八郎兵衛は立ち去る。
おつまは水右衛門への手紙が落ちているのに気がつきそれを読む。中に、今晩安部河原で落ち合う手筈と書いてあるのを見て、おつまは弥兵衛(=源之丞)に知らせ後を追わせる。
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安部河原の場
水右衛門が現れ、仲間が落とし穴を掘っているのを確認する。先の手紙は罠だったのだ。おびきだされた源之丞と金六は水右衛門と仲間が掘った落とし穴におち、惨殺されてしまう。文蔵が現れ、止めを刺さず水右衛門は去る。追いついた文蔵は瀕死の源之丞から大小の刀と小柄を託される。しかし、月が隠れた真っ暗闇の中で手探りで争そう内、千寿院力王はおりきの元に行ってしまう。この真っ暗闇の中の手探りの演技(もちろん舞台は薄暗いが役者はよく見える)もよく見られる。宮嶋のだんまりなどが有名。
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中島村焼場の場
焼き場のある中嶋村にはいましも狼が出没して、皆が逃げ惑っていた。丹波屋のおりきは水右衛門を棺桶(早桶)にひそませて逃がそうとする。そこに源之丞の遺体が入った桶が運ばれてくる。突然、狼が現れその騒ぎで桶が取り違えられ、水右衛門の入った桶は焼き場へ運ばれ、薪の上に乗せられる。
源之丞を弔うためにおつまが形見の刀を風呂敷につつんでやって来る。焼き場の番人である隠亡が火をつけるがおつまは八郎兵衛であることに気がつく。
水右衛門の仲間である八郎兵衛は、包丁でおつまを殺そうとする。おつまは必死で抵抗し八郎兵衛を井戸に落とす。
この場面は本水と言って天井から本当の水が落ちてくる中で八郎兵衛とおつまが斬り合う。また、しつこさがあるスローな動きは歌舞伎で見られる演技で与兵衛とお吉(女殺油地獄)や、団七と義平次(夏祭浪花鑑)が有名。
八郎兵衛が井戸に落ちると同時に、燃えている早桶の縄が切れて「パン」と水右衛門が姿を現す。おつまを腹の子共々殺す。そしてほくそ笑みながら、返り討ちにした石井家所縁の人々を指を折ってかぞえる。この場面が見せ場。憎らしさをどれくらい出すことができるか。仁左衛門ならではの名演技であった。指折った数は6だった。


三幕目 
播州明石機屋の場

お松の家では三年前生まれてまもなく亡くなった次男の法事がとりおこなわれていた。今年10歳になる長男源次郎は難病が治らずにいたが、利発で剣も稽古していた。源次郎の病気は人間の肝臓の生血で治せると言われていた。
織物の仕入れに来た才兵衛は、いつものように源次郎にみやげを買ってきてくれる。そしていつものように反物を他に比べ十匁増しで買っておうとするが、お松はこれを嫌いこの三年間に才兵衛が置いて行った余分の金を返そうとする。
才兵衛はこれは源之丞の母・貞林の心遣いだと渋々白状する。作介とお松は驚き、感謝する。
そこへ文蔵と貞林尼が初めて訪ねて来て、お松を石井家の嫁と認め改めて源之丞と祝言させようと言う。しかし喜ぶお松の前に差し出されたのは源之丞の位牌だった。悲しみのあまり死のうとするお松を思いとどまらせ、貞林は自分の腹を切る。そしてその生血を源次郎に飲ませる。そして源次郎の足が見事に治ったのを見て、喜びながら死んでいく。

四幕目 
江州馬渕縄手の場

馬渕の土手では水右衛門の父・卜庵が人を使って蛇がきらうという薬草を探させている。所持する巻物にまとわりつく白蛇を追い払いたいのだと話す。すると後ろの非人小屋から病み上がりの男が仕込杖をつきながら顔をだし、卜庵に金をねだる。卜庵は自ら江州の町医者・藤田卜庵と明かして去っていく。
その足の悪い乞食こそ、行方のしれないお松の兄袖介(愛之助の二役)。袖介はこれから金毘羅まいりだという通りがかりの男に明石の六之進への手紙をことづける。しかしその手紙は卜庵に読まれ身元を知られてしまう。
卜庵は戻ってきて袖介に「石井右内を討ったのはせがれではなく、自分だ」と言うが、袖介はそれは息子をかばう親心に違いないと思う。卜庵は「鵜の丸の一巻」は自分が持っていると言い張って争い、自らを切りつけ、袖介はしかたなく止めを刺す。袖介は自分の血で卜庵を殺した顛末を書き記して藤田の紋の提灯にさし、その場に残してさる。
偶然この場を通りかかった水右衛門は、この書きつけを読んで一巻は自分が所持しているのにと不審に思うが、卜庵の遺体を発見し息子として親の死を嘆く。
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大 詰 
勢州亀山祭敵討の場

亀山城下。曽我八幡の祭礼のこの日、鉾が取り囲む中、袖介は大岸頼母親子の計らいで、駕籠に乗っている若殿に「鵜の丸の一巻」を献上して仕官しようとしている。そこへ水右衛門がかけつけ、その一巻は偽物で自分の持ってきたものが本物だと訴える。
袖介持参の一巻が卜庵の奪われた写しだと知り、水右衛門は親の敵・袖介を討とうとする。
しかし頼母はまず水右衛門の所持する本物の一巻を若殿に献上させる。ところが駕籠から現れたのは白衣装に身を固めた源次郎で、石井の家宝を取り戻せたことを感謝する。頼母に呼ばれてお松もこの場に現れ、袖介も助太刀を許されて、三人は敵水右衛門を討ちとる。
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■ 感想等

話も複雑で、見せ場も盛りだくさんで5時間があっという間に過ぎていた。仁左衛門の「色悪」が名演技で油の乗った役者であることを証明した。
「亀山鉾」はお正月にはふさわしいとはいえないが、中幕の藤十郎には申し訳ないが、無くてもよかったと思う。


[観劇・コンサート]
by AT_fushigi | 2009-02-03 23:01 | 観劇・コンサート | Trackback | Comments(0)
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