6月にイタリアから一冊の本が届きました。「カッラーラ日記 大理石の山に見守られて」のKazukoさんからです。 建築学科に通う娘が非常に興味を持ち、すぐに友達に見せると大学へ持っていったのでこの記事が遅くなってしまいました。しかも、写真を何枚か撮ったらまた持っていってしまいましたので手元に本が無い状態でこの記事を書いています。 また、本の内容を写真にとって載せています。また、GoogleEarthから保存した画像を使っています。著作権上問題があるのであれば連絡ください。 2008年1月から始まったKazukoさんのイタリア・カッラーラでの生活日記。私は丁度一年前に「*イタリア料理紀行 dal ガンベロロッソ(今は*イタリア料理紀行 LA VITA A ROMAへお引越し)」のmarinaさんがKazukoさんのB&Bを訪問した記事で知ったのが出会いでした。 BLOGのタイトルにあるカッラーラはチンクエ・テッレの東南東に位置するイタリアにある大理石と彫刻の町です。GoogleEarthでみても大理石の山が白く見えます。(ダブルクリックで拡大) 昨年7月にBLOGに最初にお邪魔したとき、最初から記事を読みました。BLOG開設の切っ掛けを読もうと思ったのですがKazukoさんの率直な文で綴られる前向きな生活と周りの人に暖かく見守られての日記に引き付けられて全部読んでしまいました。コメントも当初はお知り合いの方々が暖かく応援するコメントが多かったのですが、だんだんKazukoさんの頑張りに引き寄せられた人のコメントが多くなってきました。 日記によれば、Kazukoさんは2001年苦しい時期があり、2004年に生活の場をイタリアに移し、カッラーラに自宅を建て、2008年そこにB&Bをオープンしました。BLOGが始まった2008年1月は最後の工事、塀に鉄の格子をつけるところでした。B&Bにご主人の17個の彫刻が設置され、2008年5月24日B&B Galleria Ars Apua のオープニングです。友人の歌手の方などが集ったとても暖かそうなパーティの様子が伺えました。 そして1周年を迎えられました。B&Bの経営の忙しさの間にも日本に帰国されたり、時にはKazukoさんが落ち込んで皆が心配したりと、毎日訪問してしまうBLOGの一つでした。 BLOGでこの本を差し上げますとの記事を見て応募しました。Kazukoさんの記事と心通うコメントの交流を読むのが楽しみで、毎日のように訪問はしていましたけれど、コメントもあまり残すことも無かったのですが...B&Bに宿泊された方など繋がりのもっと深い方々を知っていたので、その方たちの後でと遠慮したのですが戴けることになりました。本は暖かい言葉で綴られた葉書が添えられてイタリアから届きました。 この本を読み終えてと言うか見終えてというか考えたのは彫刻家大木達美のこと、そしてご夫婦のこと、そしてKazukoさんのことです。 この本は2001年に53歳の若さで逝ってしまった彫刻家大木達美の遺作集です。彼の作品と関わりのあった人たちの追悼の文で構成されています。 大木達美の作品は抽象的で野外展示されている作品です。特に「Fossile(化石)」と付けられた作品が中心です。「時の化石」や「原子の化石」などです。いつか遠い未来に作品が発見されたとき、化石として発見されたとき、今と言う時間を伝えたい、「二十世紀の良い部分を伝えたい」、という思いだそうです。 美術品の写真集は限界があると思います。写真ではメッセージが表面的にしか分からないと思うからです。実際に作品を見て後から記憶を手繰り感動を甦らせる時は役に立つのだと思います。彫刻の場合3次元の作品なのでそれは顕著だと思います。是非、作品を見てみたい。 そして大木達美は海外で活躍したとあります。国際シンポジウムに拘り参加します。追悼の文も日本人だけでなく海外の彫刻家などが寄稿しています。 そして、ご夫妻のこと。 本には渋谷109前の作品と写るご夫妻の写真を始め何点かのお二人の写真があります。残念ながらご病気になられてからの写真です。二人とも良いお顔で笑っています。 年譜を見ると長くは無かった結婚生活。二人の生活は写真のような笑いばかりではなかったと思います。特にご主人がご病気になられてからは。想像でしかありませんが。一度、Kazukoさんとお話してみたいです。 KazukoさんのBLOGをもう一度全部読めばどこかに書いてあるのかもしれませんが、Kazukoさんはご主人との永遠の別れ(2001年)の後、遺稿集であるこの本を出され(2003年)、彼の作品の安置場所を考えたのだと思います。想像ですが、作品を近くに置いておくこと、そして、彼が製作の場としていたカッラーラをその場所に選んだと思います。カッラーラの町には大木達美の展示の痕跡が残っているそうです。 2004年にイタリア移住、2008年作品を展示したB&Bをカッラーラにオープン。 この力強い行動力に感動すると同時に、このように愛されている大木達美の幸せを思いやりました。 Kazukoさんは記事やコメントから誠実で人から愛される方だと思っています。時々、負けん気が強いところを見せたり、逆に落ち込むこともあります。誰でも応援したくなると思います。一度、カッラーラを訪問して、大木達美の作品を見ながらお話できたらいいなと考えています。いつか、きっと。 最後に、 本のタイトルは"ART IS LONG/LIFE IS SHORT"です。 そして、あとがきでKazukoさんはこう締めくくっています。 "Art is long Life is short, and Life is Art" (1999年) Kazukoさん、ご本ありがとうございました。また、自分が豊かになれたと思います。
by AT_fushigi
| 2009-08-09 00:10
| 美術鑑賞・博物館
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Comments(2)
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by
galleriaarsapua at 2009-08-09 20:49
AT_fushigiさん、こんにちは。
素敵に作品集を紹介してくださってありがとうございます。 AT_fushigiさんの記事を読みながら私もまたこの本を読み返してみたくなりました。 もうすぐ亡き夫の命日です。 彼も自分が知り合えなかった人にも自分の事を知ってもらえて作品を見てもらえて喜んでいると思います。 ありがとうございます。 拙いブログですがこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
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by
AT_fushigi at 2009-08-14 00:21
Kazukoさん
コメントありがとうございました。レスポンスが遅くなり申し訳ありませんでした。 拙い紹介ですが、私の感じていることを率直に書きました。Kazukoさんのイタリア・カッラーラへ移住の勇気ある行動に動かされていました。 上記のようにKazukoさんのB&Bに是非泊まりたいと思ってはいるのですが...今後もよろしくお願いします。
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by AT_fushigi
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