タイ出張2011年04月-週末旅行(II)-タイ・バンコク/王宮周辺-ワット・プラ・ケオ(I)



ワット・プラ・ケオ。エメラルド仏を安置した寺という意味でタイに何箇所かあります。王宮にあるワットプラケオの正式名称はワット・プラシーラッタナサーサダーラーム(Wat Phra Sri Rattana Satsadaram)です。
1784年、ラーマI世がバンコクに都を定めた現在の王朝であるラタナコシン王朝を築いた際、国王が住む王宮と併設して、国家の行事を取り行うための施設として建てられました。
タイの観光名所であり美しい姿を今でも誇っています。

なお、ここは王室の寺院で、僧侶は一人もいません。このため僧坊などありません。


入口。チケットを改札して入ります。
ここは隠者の門と言われ、正門ではありません。正門はお寺の反対側に在ります。

入ると直ぐに見えるのが本堂(Uboso)の裏側です。そこでまず出会うのが門の名前にあるルーシー(ruesri)像です。英語でThe Hermit Doctor、日本語だと隠者の医者でしょうか(者が重なっておかしいですね)。
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ルーシー像と言うのはタイの医療技術を伝承するワット・ポーに作られました。それ以前のことはアユタヤの記録は抹消されたので分からないそうです。
(1788年、ラーマI世が始めたワットポーの改修時に作られたルーシー像は腐食し、ラーマIII世の時作り直されました。当時80体だったそうですが、それが壊れたりして現存するのは24体です。)
ルーシーという言葉はサンスクリット語のrsiに由来するそうです。この言葉は人里離れて修業し解脱を得た仙人のような人を指すそうです。彼らの宗教的実践の中に医療行為があったと考えられています。
この片膝を立てたルーシーのモデルは存在してCheewaka Komarapachと言うラーマIII世のルーシーだったそうです。
ルーシー像の直ぐ後ろにあるのが結界石(Bai Sema)。王宮の寺院なので結界石は金で覆われ、金と青の豪華な祠に入っています。結界石は出家に関係あるので普通は布薩堂の周りに配されるのですが、これも謂れが分かりません。
その後ろにあるのがPhra Phothithat Phimarnです。ラーマIV世が作らせた仏像を安置した方形仏堂(Mondop)。内部に塔状祠堂(Prang)があるのが特徴です。
その両側がHo Phra RatchakoramanusornとHo Phra Ratchaphongsanusornという小書庫です。
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左に曲がると裏門に当たるKoeysadet Gateです。
各門は守護神(Yak)に守られています。Yakは通常は建物の入口の両側に立って外からの脅威から守る役割ですがワットプラケオでは門の内側にいて建物に向かっているという珍しい配置になっています。守護神と言えどエメラルド物にはお尻を向けられないと言うことでしょうか。
Yakは天界の守護神である八部衆の夜叉(Yaksa/Yaksni)が起源と考えられています。ワットプラケオでは6つの門があり、12のYakが門を固めています。Yakの大きさは6m位だそうです。
各YakはラーマーヤナRamayanaの物語に因む名前が付いているそうです。写真の裏門を固める紫鬼はMayarap、白鬼はVirunchambangです。
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この裏門からPhra Sri Ratana Chedi、Phra Mondop、Prasat Phra Thep Bidomがそびえる様に見えます。
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まずはPhra Sri Ratana Chedi。Chediと言うのはストゥーパ(卒塔婆)に起源をもつ仏塔です。黄金色に輝くChediは王宮の仏塔として見事です。
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階段の下に中国人の昔の役人の石像があります。ワットプラケオには人間や動物などの石像が100体あるそうです。昔、中国との貿易はタイからは木材など重量のあるものが多かったのに中国からは茶など軽い物が多く船のバランスを取るために中国からの船には石像を乗せて帰ったそうです。これらの像は帰国の無事を感謝してお寺に寄贈されたそうです。
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Chediの傍まで階段を上がると来た裏門の様子が見えます。
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Phra Mondop。Mondopは方形で尖塔を持つお堂です。Mondopaが起源で経を唱えるための方形のお堂ですがタイでは方形で尖塔を持つお堂という建築物の様式だそうです。
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入口には金色のYakとその足元の階段ではNakが守っています。
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Nakはサンスクリット語のNagaから来ており5つのコブラの頭を持つヒンドゥ神です。写真が撮れていないのでWikipedia(English)から拝借してきました。
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このMondopを囲んでラーマI, II, III世、ラーマIV世、ラーマV世、ラーマVI, VII, VIII, IX世のモニュメントがあります。黄金の仏塔を象が囲んでいます。
ラーマIV世のモニュメント
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ラーマV世のモニュメント
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ここにテラスがあり本堂の横が見えます。
正面方向です。
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中。
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後ろ。
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Prasat Phra Thep Bidom。プラサート(Prasat)はクメール朝の仏塔様式です。
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屋根の上に塔が見えます。
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壁のモザイクが美しい。
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Prasatの正面(階段下から見た)。
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正面に回る時の景色です。Prasat Phra Thep Bidomのモザイクの柱、黄金のChediとプラーン(Phrang)です。
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黄金のChedi、Phra Swana Chediです。
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黄金のChediは守護神Yakと猿神Mokで支えられています。白く口を開けているのがMokで裸足です。
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黄金のChediの側に在るキンナリ(Kinnari)。Wikipediaによれば「緊那羅(きんなら)は、インド神話に登場する音楽の神々である。仏教では護法善神の一尊で、天竜八部衆の一つである」。そして、タイではキンナラは男性で半人半馬(馬頭人身とも、人頭馬身とも)、キンナリ半人半鳥で、下半身が鳥に似ているそうです。
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キンナリの向こうにHo Phra Montientham、お経の保管場所です。
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階段を下りて正門に向かいます。




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by AT_fushigi | 2012-05-20 17:55 | 出張・旅行 | Comments(0)
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