今、気になっているのは先月の中国出張で購入した急須です。茶壷と言うんだそうです。
上海で、午後一杯時間を作って「豫園」で写真をバシバシ撮り(時機を見てアップします)、そして、「南翔饅頭店」で小龍包で小腹を満たしまし、歩いて数分の「上海老街」へ。ここは、古くは明や清の時代の建築物が道の両側に並び、一階は様々なお店になっていました。 観光客やおのぼりさん向けであることは見え見えです。ぶらぶら冷やかしながら歩いているうち、様々な色の急須を並べた茶器店に興味を持ち中へ。 写真を見ると右に「宜興紫砂工芸一廠」「宜興紫砂工芸二廠」とあり「宜興人直鎖」とあるので宜興の工場の直販店かもしれません。全く良く分かりません。 入り口から奥に行くほど高価な商品となり、一番奥で良さそうな濃い茶色の薄い急須に出会ってしまいました。100元、350元と次々比較すると品物が良くなっていくのが良く分かります(1000元以上の高級品はもっと奥の別室にあるとの事でしたが約束の時間も近づいたので見ていません)。550元というのを「400元(6800円)なら買う」と言ってしまい...ぼられたかも知れません。気に入って買ったので「まあいいか」と思っています。 買った茶壷がこれです。 帰国後、やはり今回の出張で買ったウーロン茶「乳花香」(香港の茶藝樂園の尖沙咀分店で購入)を楽しんでいます。 時間ができたのでいろいろ調べてみたら、想像していたとおり奥が深いことがわかりました。「壺迷」(http://www.bekkoame.ne.jp/~bozhi/)という茶壷に関し詳細に紹介した優れたHPを見つけました。 店の名前にある紫砂壺と言われるものは、宜興で作られるのが本物です。中華民国以前のものは古壺と言われ、市場に出回ることがないようです。現代でも工芸美術師等と言われる作家ものが高く売られているようです。売られている高級品の8-9割は贋物(コピー品等)だそうです。証明書もご丁寧に付いているそうです。 店の説明では私が購入したものは作家物ではないが、結構有名な作家がデザインした物とのことでした。「形と表面が良い」と言っていました。 調べて分かったことは (1)宜興製の紫砂壺には「三平の原則」というものがあり、茶壺を横にしてみると,嘴(注ぎ口)と座(胴体の頂上部分)と把(取っ手の頂上部分)の3点が一直線で水平になっていることです。確かに。 (2)釉薬を使いません。宜興茶壺の様々な色は土そのものの色です。このため、宜興の土特有の気孔ができ,渋みなどを取り、お茶を美味しくするとの事です。また、長年使うとお茶の成分がしみこんで,良い土色になっていくとの事です。 (3)タタラ作りという土の板を叩いて形を作ります(安物は型出しやロクロを使うようです)。胴に底、注ぎ口、取っ手をつけます。実際私のもよく見ると底等を後からつけたのがわかります。中を覗くと縦に筋が見えるのでロクロではないと思われます。 (4)定番の形というものがある。シンプルなものから装飾したものまでいろいろな方があります。私はシンプルなのがすきなのですが購入したものは「倣古壺」というのに似ています。いろいろなHPを見ていると小ぶりなもの(小壺と言うらしい)が目立ちます。私は家族で楽しむため普通サイズです。 (5)落款がやはり重要です。これはさっぱりわかりません。私のは底と蓋の裏に「○○製陶」と小さい楕円の落款がありますが読めません。また、証明書も大事ですが贋物を作るのも簡単だそうです。 先日北京出張の際JALのビデオで紫砂急須を紹介していました。まさに上のことが画像として紹介されていました。土の板からしゃもじのようなへらで叩きながら立体を作っていく過程、「三平の原則」の作り方など画像で見ると理解が深まります。特に最初に円盤に切った土板に四角の土板を貼り付け叩いて丸みを帯びた立体を作り底を着け、最初の円盤に穴を開けて口とすると言う変わったプロセスが良く分かりました。今度このビデオ(市販されているとのこと)を購入しようと思っています。 買ったものが本物か贋物か、また400元という価格が高いか安いかわかりません。観光地だったし、一発回答だったからそれなりの物だと思っています。でも、まったく知らなかった茶壷に興味を持つことができたし、形や手触りなど好きで持ったり撫でたりして一人悦に入っています。 今度中国に行く楽しみが増えました。また、良さそうなのがあったら買ってみます。ただ、3-400元くらいが素人の手を出せる範囲との警告を守って生きたいと思います。
by AT_fushigi
| 2008-01-03 10:48
| 物
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by AT_fushigi
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