歌舞伎に行くようになってから10年になりますが、初めての新歌舞伎でした。通しと言うことで昼と夜の部を続けて観ました。これも初めてです。昼夜切り替え時に15分ほど外に出ましたが、朝11時から夜9時まで歌舞伎座で過ごしました。疲れましたが有意義な一日でした。ますます歌舞伎が好きになりました。 少しでも雰囲気を感じていただけたらと思います。 ■ 演目と役者 歌舞伎座さよなら公演、「三月大歌舞伎」 -- 演目:「元禄忠臣蔵」 昼の部 江戸城の刃傷 /梅玉、彌十郎、進之介 最後の大評定 /幸四郎、歌六、家橘 御浜御殿綱豊卿 /仁左衛門、芝雀、染五郎 夜の部 南部坂雪の別れ /團十郎、我當、芝雀 仙石屋敷 /仁左衛門、彌十郎、染五郎 大石最後の一日 /幸四郎、福助、染五郎 独立行政法人日本芸術文化振興会「歌舞伎への誘い」によれば新歌舞伎とは、 ------ 引用 ----- 明治から大正にかけて、「狂言作者(きょうげんさくしゃ)」とよばれる歌舞伎専門作者ではなく、欧米の演劇や小説の影響を受けた外部の作者による作品が、近代的な演技・演出法に基づいて上演されるようになりました。理由として、「演劇改良運動(えんげきかいりょううんどう)」の影響で外部の人々が歌舞伎に関わりやすくなったことや、河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の死後、有力な狂言作者が育たなかったことなどが挙げられます。これらの外部の作者による作品は、それ以前のものと区別して「新歌舞伎」とよばれます。代表的な作家としては、坪内逍遥(つぼうちしょうよう)・岡本綺堂(おかもときどう)・真山青果(まやませいか)・長谷川伸(はせがわしん)などが挙げられます。 ------ 引用終 ----- 終わってみればNHK大河ドラマや映画の時代劇から連想される歌舞伎のイメージがそこにあった。実際に歌舞伎を見るまでに持っていたイメージである。格調高い台詞で劇が進行する。また、大石内蔵助など実在の名前が使われている(江戸時代は戦国時代後期以降の史実を劇にすることを禁止していたため、それ以前に舞台を移し、役も由良之助のように別名となっていた)。古典歌舞伎の荒唐無稽は影を潜め、踊りやとんぼを切るなどのいわゆる「歌」「舞」「伎」要素は排除されている。猿之助のスーパー歌舞伎が古典の良さを継承しながら京劇を取り入れるなど新しいジャンルを築いたのとは異なる。それでも日本人の心に訴える演目が多く歌舞伎の近代化の中でのジャンルとして認められている。 「元禄忠臣蔵」は真山青果作で最初に最終編の「大石最後の一日」が1934年に歌舞伎座で初演され、その人気の勢いに乗って全10編が作成されたとのことだ。10編とは以下。今回はそのうちの(*)で示す6編。 第1編 「江戸城の刃傷」(*) 第2編 「第二の使者」 第3編 「最後の大評定」(*) 第4編 「伏見撞木町」 第5編 「御浜御殿綱豊卿」(*) 第6編 「南部坂雪の別れ」(*) 第7編 「吉良屋敷裏門」 第8編 「泉岳寺」 第9編 「仙石屋敷」 (*) 第10編 「大石最後の一日」(*) 本公演では大石内蔵助を團十郎、仁左衛門、幸四郎(夜の部の出場順)という豪華キャストで演じるのが話題となっている。また、染五郎の活躍も楽しみであった。 ■ 幕前 歌舞伎座は老朽化が激しく(*)耐震性にも問題が出てきたため来年から3年かけての建て替えが始まる。2009年1月から2010年4月まで「さよなら公演」と名打ち、リクエストアンケートで選ばれた演目などを上演している。大人気のようで開場前には人が溢れている。また、多くの人がカメラや携帯で建物の写真を撮っている。 (*)歌舞伎座は「1889年創建。45年に東京大空襲で焼失したが、51年に再建された。文化庁の登録有形文化財。」とのこと。建て直し中は新橋演舞場で歌舞伎公演が行われる。 朝は11時ギリギリで到着。昼食も買う時間も無く席に着く。1階の前から3列目で舞台が近い。実際途中から首が痛くなった。平日の午前中のためだろう周りは若い人が少ない。 ■ 筋書 1,200円。歌舞伎会員なので100円の割引券あり。 次回は舞台を紹介します。 [観劇・コンサート]
by AT_fushigi
| 2009-03-20 17:40
| 観劇・コンサート
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Comments(4)
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cucina_amalfitana at 2009-03-21 21:54
AT_fushigi さま、おひさしぶりです!
歌舞伎いいですね~。朝から晩まで続きだとは、素晴らしい一日ですね♪ 歌舞伎座の正面て、本当に素敵ですね!改修されることになるとは、多くのファンが訪れているのも納得です。
こんにちは。
実は、先日初めて歌舞伎座デビューしました。 ATさんが丸一日鑑賞された忠臣蔵、でも天井桟敷で一幕見ただけなんですけどね(大違い) 面白いかどうか、半ば不安で訪れたのですが、日本人にはなじみのある演目だったこともあり、また見事な芸ぶり(雪もないのに雪の上をあるいているように見える所作など)にいたく感動し、またぜひ近々訪れたいと思いましたよ。 ATさんのレポの続き楽しみです。
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AT_fushigi at 2009-03-22 22:41
cucina_amalfitanaさま
marinaさんコメントありがとうございました。イタリアに戻られたのですね。イタリアの写真楽しみにしています。 tammyさんのところにも書いたのですがプルスケッタとクロスティーニ(ヌではないですよね)の違いが分からなくて...
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AT_fushigi at 2009-03-22 22:48
Ginaさま
歌舞伎デビューおめでとうございます。是非また機会を作ってください。海老蔵や勘三郎など大人気の若手も面白いですよ。 私の場合仕事の合間を縫っての観劇なのですがだんだん面白くなって回数も増えてきました。1階席だと大体レストランの一回分なのでレストランの回数が減ってしまいました。しょうがないですね。
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by AT_fushigi
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