「一丁倫敦と丸の内スタイル展」@三菱一号館


東京駅近くに行く機会がありましたので三菱一号館に行って見ました。

ここは旧三菱一号館を復元したもので2010年4月6日から三菱一号館美術館としてオープンします。その竣工記念ということで建物の歴史と復元に関して展示が行われています。
ちなみにカフェとショップは開館しています。
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■ 展覧会

三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」
-- 三菱一号館美術館
-- 2009年9月3日(土)~2010年1月11日(月・祝)
-- 休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、1月1日
-- 10:00~18:00 (水木金は~20:00)
-- 大人(大学生以上)500円、中学生・高校生300円、小学生以下無料
-- [概要] (HPより)
    旧三菱一号館の設計者ジョサイア・コンドルの足跡と人となり、三菱一号館
    復元の意義や建築的魅力を紹介しつつ、三菱一号館に始まる丸の内の都
    市の歴史、明治から大正にかけて丸の内に働いたビジネスマンの都市生活
    文化を探り、日本の近代オフィス街発祥の地としての丸の内のオフィス文化
    に光を当てます。
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■ 展覧会場

東京駅丸の内中央改札口から歩く。東京駅丸の内も復元中で工事現場を覆う壁には東京駅の歴史や復元の意味などがパネル10枚以上が掛かっている。
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帰宅後WEBで探ると、耐震工事と環境整備に合わせ建築当初の姿に復原しようと言うことのようだ。その例が鹿島のHPに載っていた。建築当時の丸屋根と戦後の修復の四角い屋根。
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海外でこういう復元や保全を見ているので非常に良い事だと思う。

ちなみに東京駅丸の内の道路を隔ててある、話題の中央郵便局はこういう姿。あまり美しいとはいえない中央郵便局は保全すべきだったかどうか分からない。
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さて、歩くこと数分。目的の三菱一号館へ。レンガの美しい建物だ。
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歴史資料館の入り口から入る。
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中で歴史の映画を見て展示会場へ進む。
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チケット500円。チケット売り場の横にはロッカーが既にあった。
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■ 展覧

丸の内の歴史から当時の丸の内の様子や会社員の生活などの展示と復元に際し収集した図面の一部や復元作業などが展示されている。

公式HPからの引用。
”三菱一号館は、1877年(明治10年)に来日し、多くの近代建築を残した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計され、1892年(明治25年)1月に着工、2年半の工期を経て、1894年(明治27年)6月に竣工(部分落成)しました。
英国ヴィクトリア時代のクイーンアンスタイルで棟割長屋の平面形式を特徴とする丸の内最初のオフィスビルです。基礎は松杭、構造は帯鉄によって開口補強された耐震煉瓦造、屋根はクイーンポストトラスの洋風木造小屋組、屋根機葺材は国産スレートでした。

今回、当初の設計図や文献、実測図(昭和43年)、写真、保存部材などの調査によって当時の姿が詳細に明らかになりました。
元に必要とされる煉瓦は構造煉瓦210万個、化粧煉瓦20万個で総数230万個にも及び、煉瓦工、石工、鳶(とび)など一日に総勢約250名の職人が工事に携わりました。重い外壁石を運ぶためにクレーンを利用する以外はすべて職人の手作業であり、広くはない工事現場に職人が密になって煉瓦や石を積む様子は、コンドルの指導によって弟子の曾禰達蔵(そねたつぞう)をはじめとする日本人建築家と職人たちが西洋建築に挑戦したスピリットを感じさせるものでした。
職人の確かな目によって高い精度と仕上がりを保ちつつ、すべての材料が人の手を経由して生み出される煉瓦壁には独特の質感があり、人の手の温もりまでもが伝わってきます。”

私には重い文章だが、意気込みは感じる。

展示で興味深かったのは、図面類と地盤強化のためにベニスのように何本も打ち込んだ木が発掘されたこと、屋根の構造、レンガの製造風景(中国)でした。

三菱一号館復元と丸の内の歴史を撮った梅佳代、ホンマタカシ、神谷俊美の3人の写真が展示されていた。この中では上記のホンマタカシの赤煉瓦230万個を焼き上げた中国・長興の工場の写真が興味深かった。

建物の内部も復元されており、そのほうがずっと興味深かった。樋まで復元したとのことで写真スポットがたくさん。ちなみに建物を囲む廊下では写真OKだった。
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廊下からは「一号館広場」と言われるスクエアがあり賑わっていた。
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■ 感想等

先日は新しくなったポーラ美術館に行ったが企業のこういう文化活動は賛成である。大財閥系の三菱の美術館ということで楽しみにしている。
来年の開館も楽しみだが、その前に建物を中心に見物(鑑賞)するのも面白いと思う。近くには丸ビル、新丸ビル、ブリックスクエアなど土日でも人が集められる施設が増え出かけやすくなったと思う。

■ 美術館開館展覧会

三菱一号館美術館は来年4月開館だ。その案内もあった。

開館記念展〈Ⅰ〉 「マネとモダン・パリ」
-- 三菱一号館美術館
-- 2010年4月6日(火)~7月25日(日)
-- 休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、1月1日
-- 10:00~18:00 (水木金は~20:00)
-- 大人(大学生以上)500円、中学生・高校生300円、小学生以下無料
-- 公式HP
-- [概要] (HPより)
    エドゥアール・マネ(1832-1883)は、「モデルニテ(近代性)」溢れる
    さまざまな作品を通して、後世の芸術家たちに大きな影響を及ぼした、
    近代絵画史上最も重要な画家のひとりです。
    「19世紀の首都」とも呼ばれるパリに生まれ育ったマネは、都市構造
    的、文化・社会的に劇的に変化し近代化を遂げたこの街と向き合い、
    都市のダイナミズムに照らし出された人々の姿を描きました。
    (略)初期から晩年に至るまでのこの画家の傑作の数々を、同時代の
    芸術家たちが捉えた都市生活の相貌とともに展覧し、新たな視点から
    マネという鮮やかな感性をもつ画家を紹介します。
    本展はオルセー美術館所蔵の代表的な油彩及び国内外の美術館に
    所蔵されるマネの油彩、素描、版画60点余を中心に、同時代作家の
    油彩、建築素描、彫刻、写真など計およそ100点の作品で構成されます。
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HPによれば、引き続き

開館記念展〈Ⅱ〉『「Art Galleries. Maru no Uchi. Tokio」 三菱が夢見た美術館』(仮称) 
    会期:2010年8月~11月
『カンディンスキーと「青騎士」―ミュンヘン、レンバッハハウス美術館コレクション』(仮称)
    会期:2010年11月~2011年2月
『王妃の画家ヴィジェ=ルブラン マリー・アントワネットと18世紀の女性画家たち』(仮称)
    会期:2011年3月~5月
『ジャポニスムの立役者たち―欧米で愛された陶磁器・銀器・装飾品』(仮称)
    会期:2011年6月~8月
『トゥールーズ=ロートレック モーリス・ジョワイヤン・コレクション』(仮称)
    会期:2011年9月~11月



[美術鑑賞2009]
by AT_fushigi | 2009-11-21 12:24 | 美術鑑賞・博物館 | Comments(6)
Commented by shinn-lily at 2009-11-21 18:13
この建物はひかれますね。
江戸時代が終わって20年くらいでこういう建物を建てたって、時代をリードする偉い人がたくさんいたのですね。
今もそういう人がいてくれたら・・・。
企画展よりも建物、ぜひ見てみたいです。きっと通ったことはあると思うのですが。
Commented by sfarina at 2009-11-22 07:57
この前ブりックスくエアーに行った時にこの三菱一号館、気になってました。まだ開館してなかったのですが OPENしたんですね。
なかも素敵~♪
Commented by AT_fushigi at 2009-11-22 17:02
shinn-lilyさま
コメントありがとうございます。
三菱一号館は建物を見るだけで価値があると思います。風格と言う言葉が実感として分かります。
確かに最近の建築物でこれはというのはパッとは思いつきません。しいて言えば、国立新美術館かなあ。中国や中東の建物で興味があるのはあるので見に行きたいです。
Commented by AT_fushigi at 2009-11-22 17:04
sfarinaさま
コメントありがとうございます。
そうでした、ちょうど同じ頃ブリックスクエアに行ったのでしたね。
是非。丸の内界隈が面白くなっています。
Commented by dolcenori at 2009-11-25 17:57
こんにちは。
丸の内で4年間OLやってました。あまりにも懐かしくて、、、でも今はきっと大きく変わってしまっているのでしょうね。。。
Commented by AT_fushigi at 2009-11-25 19:32
dolcenoriさま
コメントありがとうございます。いつもユニークなジェノヴァ便り楽しみにしています。
丸の内はどんどん変化しています。丸ビルや新丸、三菱通りなど昔とは様相が違います。でも、流れているちょっとスノッブな空気は変わっていないように思います。
とはいえ、ここもオフィス街から休日でも人が集まる場所になりつつあります。東京のダイナミックさに驚かされます。
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