お節

前にも書きましたが、昨年末は何もしないと言うことで当然「おせち」の準備もほとんどしていませんでした。子供もいるので「おせち」は買ってくることにしました(初めてです)。
正月にオープン。子供たちから「家のより豪勢」と評判は良買ったのですが...良いのか悪いのか。これに、家族が好きな、紅白歌合戦を見ながら調理した(と言っても塩抜きし皮をむいて漬け汁に漬けただけですが)数の子と買ってきた昆布巻きを加えて、お雑煮を作り新年の最初の食事としました。
お節_c0153302_4213611.jpg


ところで、「おせち」はいつごろから始まったのでしょう。

おせちは「御節」、節は節句から来ているだろう位しか分かりません。また、正月はかまどの神様を祭るので火を使って料理をしてはいけないので、「おせち」料理ができたと子供の頃に聞かされていました。
さあ、WEB調査です。

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節句(節日)とおせち
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節日は節目の日ということで中国の暦に由来するがこれは時代時代で変化する。平安時代には宮廷で定められた節日とそのとき開かれた節会を五節会といい、節会では神饌(せん)を供え、宴会を開いた。
   元日節会:1月1日
   白馬節会:1月7日
   踏歌節会:1月14・16日
   端午節会:5月5日
   豊明節会:11月辰の日
この節会で出されたご馳走が「御節供(おせちく)」でこれが「おせち」の語源となっている。
上記は宮中の行事だが民間では3月3日、7月7日、9月9日も祭っていたと考えられている。
なお、江戸幕府は江戸初期に上役のところに挨拶すべき日として五節句を定める。
   人日の節句:1月7日
   上巳の節句:3月3日
   端午の節句:5月5日
   七夕の節句:7月7日
   重陽の節句:9月9日
このことにより節句を祝う習慣が広く民衆に広まると同時に、正月の御節供も庶民の間で広まった。この頃から「おせち」は正月に供されるご馳走のことをさすようになった。

このように江戸時代に民衆文化に「おせち」は受け入れられ、江戸時代後半に今のおせち料理が確立された。

中国では12月23日に出かけた竈の神様は12月31日に家に戻ってくる。中国ではこれを祝い、餃子を食し、子供に「紅包・圧歳銭(お年玉)」を与える。
これが日本に渡来し、日本に違った形で吸収される。
日本では正月は「歳神(としがみ)様」(=ご先祖様)を祭る日であった。初詣も氏神様の祀られた神社にお詣りしてご先祖様のご加護を願うもの、門松は歳神を迎えるための憑代(よりしろ)であった。
また、民間宗教として、様々な神様を正月に祭った。特に、水と火の神様は重要であった。これと「竈の神様」が結びついて三宝荒神様を始め各地に火と竈の神様(以下荒神様)が祭られる。
神社から「歳神様」と「竈の神様」のお神札を頂き、それぞれ神棚と台所に祀った。このため正月には火や竈を使わない風習ができた。
正月に食する「おせち」はこうして火を使わず食せるよう保存が利く作り置きの料理となった。これが女性にとっても得する風習だったので広まったのだろう。

さて、おせち料理の基本は「祝い肴三種」と煮しめである。「祝い肴三種」は関東と関西で異なる。
   関東:田作り、数の子、黒豆
   関西:叩き牛蒡、数の子、黒豆
どっちらも、豊作、子孫繁栄、魔よけ(まめに働きまめに暮す)である。以下に主な料理のいわれを記す。

   田作り : 肥料になる鰯が高級な肥料だったので豊作を祈る。
   数の子 : 卵の数が多く、子孫繁栄を表す。
   黒豆  : 「まめに働きまめに暮らせるように」との語呂合わせ。黒は魔除けの色。
   叩き牛蒡: 豊年を象徴する瑞鳥を表し豊作と息災を願う。
   蒲鉾  : 形が日の出に似ているので、お節に欠かせない。赤は魔よけ、白は清浄を表す。
   海老  : 長寿を表す。海老は腰の曲がった老人を連想させる。
   蓮根  : たくさんの穴がある形状から将来の見通しがきくとの縁起担ぎ。
   昆布  : 「喜ぶ」に「子生」と当てて子孫繁栄。
   伊達巻 : 派手な様子から。

このほか様々な料理がありお正月の楽しみとなっている。
by AT_fushigi | 2008-01-02 04:32 | 調べる | Comments(5)
Commented by sicilia_trapani at 2008-01-02 16:52
あけましておめでとうございます!
お節、勉強になりました。日本語って何気なく使っていても、実は意味や所以を知らない事ってたくさんありますよね。
そういえば、今年は祖母の所にはじめて、お節の宅配を頼んでみました。一人暮らしの祖母はとっても喜んでくれました。意外と豪勢だったらしいです。

ことしも宜しくお願い致します!
Commented by tammys04 at 2008-01-02 20:04
あけましておめでとうございます。
気になるとすぐに調査してしまうATさん、本当に頭が下がります。
イタリアで御節を毎年作っていますが、これだけちゃんと調べてイタリア人に話せたらどんなに良いだろうと今更ながら思いました。とはいえ、御節を作る時に招くのはもっぱら日本人ばかりですが(もったいなくて^^)
御節の中でも黒豆、なます、キントンが好きなのですが「マメに」ねぇ、どんだけ食べてもなれてない気がします--;


どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
Commented by AT_fushigi at 2008-01-02 22:13
ち~坊さま
本年もよろしくお願いします。ブログ、いよいよ始まりましたか。ブログは残せるかという不安があります。ソースを残すだけでは不十分です。これから研究です。
お互い「自然体」で長続きできるようにがんばりましょう。
Commented by AT_fushigi at 2008-01-02 22:18
sicilia_trapaniさま
REIさんよろしくお願いします。
宅配のおせちは結構いけるなと今回思いました。私たちは京都のお店を選びましたが「ち~坊」さんは加賀のようです。便利になりました。
REIさん、おばあちゃん孝行しましたね。さぞ喜ばれたことでしょう。
Commented by AT_fushigi at 2008-01-02 22:20
tammys04さま
Tammyさん、今年もよろしく。私は海外での話題作りも兼ねているつもりです。とくにヨーロッパ人との会話にはこういう薀蓄を知っていると役に立ちます。
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