「モディリアーニ展」 国立新美術館 2008年3月26日(水)~6月9日(月)(火曜日、祝日の場合は翌日休館) 10:00~18:00、金曜日は~20:00 前売 一般:1,200円、大学生:1,000円、高校生:500円 当日 一般:1,500円、大学生:1,200円、高校生:700円、(中学生以下は無料) (「生誕100年 東山魁夷展」とのセット券 2,000円(一般のみ)を1月18日から2月29日) 概要 原始美術の影響を色濃く示す所期の<カリアティッド>の作品群から 独自の様式を確立した肖像画まで幅広い作品。モディリアーニの変遷を探る 世界中から150点、国内で最大規模。モディリアーニの全容を一望。 モディリアーニ(Amedeo Clemente Modigliani)は1884年7月12日にイタリア Livornoで生まれ、1906年イタリアベニスアカデミーを卒業後し、パリへ移住した。1920年1月24日そこで没した。35歳の若さだった。 I章 プリミティヴィスムの発見 1906年に移住したパリでの初期の作品。詳細省略 II章 実験的段階への移行:カリアティッドの人物像 パリに移住したころは彫刻家を目指し、「カリアティッド」に焦点を当てています。「カリアティッド」は建築装飾としてバルコニー等を支える女性像の柱のことです(ちなみに男性像はアトラスというそうです)。アテネのアクアポリスなどで見ることができる、両手を持ち上げ石を支える女性像だ。 モディリアーニのカリアティッドは青で輪郭の背景を塗ることで質感を出した独特のフォルムを持つ。 また、ゴーギャンをはじめ多くの作家が取り上げた、当時の流行であったプリミティヴな作品も描いている。 III章 過渡期の時代:カリアティッドからの変遷 1914年、彫刻が健康に耐えられないこともあり、画商の勧めもあって彫刻をあきらめ、絵画に転向する。目の前の人物像を描き始める。まだ、仮面のような人物像が描かれたが、自分の作風を確立していく。 IV章 仮面からトーテム風の肖像画へ モディリアーニの良く知られた作品はほとんど1916年からなくなる1920年までの4年間に描かれている。 「女の肖像(マリー・ローランサン)」(1917年)、「珊瑚の首飾りの女」(1918年)、「少女の肖像」(1918年)、「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エピュテリヌ」(1918年)、「肩をあらわにしたジャンヌ・エピュテリヌ」(1919年)。 特に妻ジャンヌ・エピュテリヌとの出会いはモディリアーニに愛と安らぎを与え彼女の肖像が多く描かれている。一児をもうけるが病気(肺結核)でモディリアーニは帰らぬ人となる。その二ヵ月後ジャンヌ・エピュテリヌも自殺してしまう。 この展覧会もモディリアーニの芸術家としての一生を時期にわけ展示している。これによりその変遷を知ることで作品の理解に厚みが増す。 4年間の短期間に集中しているが、これは、脂が乗り始めた時に亡くなった事を示している。病気勝ちの生活の中で、愛する妻を得、必死で描く画家の悲壮さがそこにはあると思う。 より、モディリアーニが好きになった展覧会であった。 [美術鑑賞目次]
by AT_fushigi
| 2008-05-19 14:49
| 美術鑑賞・博物館
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