ロベール・ドアノー写真展「パリ・ドアノー」


出張報告の次に行く前に美術鑑賞を一件。東京では終わりましたが、各地で巡回されると思うので紹介します。

今回は写真です。出張前に新聞でこの展覧会のことは知っていましたが、出張のドサクサで忘れていました。最終日の13日の月曜日(振り替え祝日)の午後に雑誌でこの展覧会の記事を見て思い出し、最終日であることを幸いと出かけました。最終日なので午後6時(チケットは5時30分)閉場でしたので大急ぎで出かけました。会場に着いたのは5時でした。


ロベール・ドアノー写真展「パリ・ドアノー」

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開催期間: 2008年10月7日(火)~10月13日(月)
開催場所: 東京日本橋三越本店 新館7Fギャラリー
入場料: 900円
概要: ロベール・ドアノーの初期から晩年までの作品約200点を一堂に展示、その業績を紹
     介する日本では久しぶりの回顧展。写真家ロベール・ドアノーが生まれ、愛した街パリ
     を、写真家ともに時空を越えて散策しているような気分にさせてくれる躍動感溢れるも
     のとなっている。

なお、チケットに「本展は、ドアノーが残した45万点のネガを管理保管する目的で、彼の2人の愛娘アネット・ドアノーとフランシーヌ・ドルディーユが創設したアトリエ・ドアノーの全面協力を得て、本国フランスでも11年ぶりとなる大回顧展として2006年10月パリ市庁舎内(あまりにも有名なドアノーの作品「パリ市庁舎前のキス」の舞台)で開催され、大変な好評を博した展覧会の日本巡回展となります。」とある。

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ロベール・ドアノー(Robert Doisneau 1912-1994)の名前は知らなくともこの写真は知っているはず。
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「パリ市庁舎前のキス」。この写真は2000年 パリ写真月間に撮影50周年を記念してパリ市庁舎前広場に大型プリントが展示された。
行くきっかけになった、雑誌の記事は...雑誌は「TOKYO WALKER」だったと思う。(白状すると美容院で読んだので)
ロベール・ドアノーは被写体を狙って町でじっと観察し待つ。そしてその自然な日常的な表情を写真にとることで有名だ。だが、この写真はドアノーの目の前で一瞬で行われ写真に撮ることはできなかった。そこで、俳優・女優に頼んで再現してもらったというもの。
これには、エピソードがあって、それはドアノーの肉声で会場のビデオで放映されていたが、パリ市庁舎に展示した時、この写真の被写体は自分たちだと多くの人が市に問い合わせたということだ。ドアノー曰く「そんなはずないのに」。
また、被写体の女優のフランソワ・ボネが、撮影後ドアノーにもらった写真が2005年2,200万円で売れたとか。
この会場のビデオでドアノーは「幸せなカップルの写真にはエキストラを使った」と述べている。下記の写真も有名だ。この時は撮影に成功したが実際の男が「このお嬢さんは私の主人の娘さんです」といったのでエキストラを使ったと...「かがんでキス」
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元に戻って、チケットと展覧会のガイドブックだ。
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ガイドブックはケースをはずすと
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ケースの表裏はパリの景色と日常をとった写真である。展覧会ではこのようなパリの景色、人々の日常が多く展示されている。上の2点もその中にある。特にれ・アールとレ・アールが取り壊される様子は、レ・アールの活気とそれがなくなる寂しさが表現されている。
「シャネル・ココ」などのファッション界の有名人のポートレールも多く展示されているが、ドアノーの骨頂は普通の人、貧しい人々の写真である。酒場でであった「流しのピエレット・ドリオン」。
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また、ユニークなのは店の中からショーウィンドーをのぞく人々を取った写真の連作。特に、左端に女性の裸の後姿の絵を飾った画廊では人々の表情がさまざまでそのアイディアに驚かされる。下記の写真、夫婦の視線が面白い。
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200点の写真を丁寧に見た1時間はあっという間であった。知っているパリと知らないパリが交錯し、人々の多様さ素朴さ、生き生きした表情やしぐさ、悲しみなど写真の素晴らしさを楽しんだ。パリが好きな人には必見だろう。
また、アナログ写真の表現力の素晴らしさも衝撃的である。
残念ながら17分のビデオは8割くらいしか見れなかったが、ドアノーの肉声と内容に関連した写真で構成されており興味深いものであった。
大満足で会場を後にした。入り口はすでに閉じられていた。
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次は、京都伊勢丹美術館「えき」KYOTO 2009年1月31日(土)~2月22日(日)。だいぶ先だ!

この後、せっかく三越本店に来たのでラデュレのマカロンとパールでパンを買って帰りました。


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by AT_fushigi | 2008-10-25 02:54 | 美術鑑賞・博物館 | Comments(0)
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