歌舞伎を観に行ってみよう-(II)

第二回 巡業

地方巡業は各地を原則一日の興行を転々と行うものです。巡業は松竹の興行と公文協歌舞伎があります。

公文協とは社団法人・全国公立文化施設協会のことです。「文化庁からの委嘱により、公立文化施設において自主的・主体的な文化芸術活動が行われる環境を醸成するための各種事業を実施し、地域における文化芸術活動の拠点である公立文化施設の活性化を図り、相互の連携・ネットワーク化を促すことにより、地域文化力の発信・交流を推進するため、次の事業を実施しています。」とのこと。
東京や大都市に集中しがちな芸術活動を地方でも活性化しようということでしょうか。

公文協歌舞伎は年に3回東、中央、西コースと開催されます。東とか言うのは目安です。国の保護もあり比較的安価で、国の事業ですから内容も充実しています。平成17年度の「十一代目市川海老蔵襲名披露公演」や平成18年度の「十八代目中村勘三郎襲名披露公演」もありました。
今年平成20年の予定は
[東コース]
  期 間  平成20年6月29日~7月31日
  演 目  操三番叟/口上/弁天娘女男白波 浜松屋より勢揃いまで
  出演者  市川段四郎/市川亀冶郎 他
[中央コース] 「二代目中村錦之助襲名披露」
  期 間  平成20年6月29日~7月31日
  演 目  彦山権現誓助剱 毛谷村/口上 他
  出演者  中村錦之助/中村梅玉/中村時蔵 他
[西コース]
  期 間  平成20年8月30日~9月25日
  演 目  勧進帳 他
  出演者  松本幸四郎/中村梅玉 他  
東と中央は毎年同時期に開催されます。劇場はまだ発表されていません。一番最近の開催は平成19年度[西コース]ですが
     8月31日:埼玉県川口市 川口 リリア・メインホール
     9月2日:滋賀県大津市 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
     9月3日:石川県小松市 こまつ芸術劇場
     9月5日:大分県大分市 iichiko総合文化センター
     9月6日:福岡県北九州市 北九州芸術劇場
     9月7日:山口県周南市 周南市文化会館
     9月8日:広島県呉市 呉市文化ホール
     9月9日:広島県福山市 ふくやま芸術文化ホール
     9月10日: 岡山県高梁市 高梁総合文化会館
     9月11日: 岡山県岡山市 岡山市民会館
     9月12日:香川県丸亀市 丸亀市民会館
     9月14日:愛媛県松山市 愛媛県県民文化会館
     9月16日:愛知県丹羽郡 扶桑文化会館
     9月17日:兵庫県神戸市 神戸文化ホール
     9月20日:兵庫県赤穂市 赤穂市文化会館
     9月21日:兵庫県姫路市 姫路市文化センター
     9月22日:愛知県豊橋市 アイプラザ豊橋
     9月23日:千葉県東金市 東金文化会館
     9月24日:千葉県松戸市 松戸 森のホール21
で開催されました。開催地は公文協に応募し、松竹が歌舞伎が可能な施設かチェックし決まるようです。
巡業の情報は「歌舞伎美人」>「座館情報」>「巡業」にあります。今年の情報はまだ載っていません。時々チェックしてみてください。


第三回 メールマガジン

歌舞伎の情報を入手するには松竹の「歌舞伎美人メールマガジン」、国立劇場の「メルマガ・伝統芸能」のメールマガジンを利用するのも良いと思います。
「歌舞伎美人メールマガジン」は毎週木曜日発行で、公演情報や歌舞伎関連情報が得られます。
「メルマガ・伝統芸能」は月に2回程度日本芸術文化振興会が発行していて、国立劇場、国立演芸場、国立能楽堂、国立文楽劇場、伝統芸能情報館、芸術文化振興基金、新国立劇場、国立劇場おきなわの公演や行事などに関する情報が得られます。

また、インターネット購入のために登録するとチケット情報などが送られてきます。松竹では「チケットWeb松竹」国立劇場では「NTJメンバー」への登録です。

[情報は2007年1月21日現在]
# by AT_fushigi | 2008-01-21 00:04 | 観劇・コンサート | Trackback | Comments(0)

歌舞伎を観に行ってみよう-(I)

私の歌舞伎歴は8年ですが年3回以上行く(行ける)ようになったのはこの3年ほどです。同好(同行)の友を得てからです。

海老蔵、勘三郎、亀次郎や春猿など比較的若手役者が人気となり、歌舞伎も少し盛んになってきたように思いますが、まだ、古典芸能ということで敷居を高く感じる人も多いようです。しかし、雅楽、能や文楽に比べて入りやすいと思います。昔良く通った「赤テント」が最近は女性で埋まっていると聞いたことがありますが、歌舞伎のほうが敷居は低いと思います。

そこで、浅い経験しかありませんが、逆にこれから歌舞伎に行ってみようという人の視点で実用的なガイド的なものができないかと思いました。実際、チケットの買い方などお問い合わせもいただいております。

第一回 歌舞伎の劇場と公演予定

歌舞伎の興行は国立劇場を除いて松竹(株)が行っています。ちなみに、歌舞伎役者は実はほぼ全員(前進座所属が10%以下)、松竹(株)の社員です。ですからまずは松竹のHPに行けば歌舞伎の情報は得られます。特に「歌舞伎美人」という歌舞伎の専用のHPを運営しています。公演の劇場や公演予定などの情報が得られます。

劇場は松竹(株)の直営劇場といわれる4つの劇場と国立劇場が中心です。
     歌舞伎座(東京)
     新橋演舞場(東京)
     大阪松竹座(大阪)
     南座(京都)
国の施設として日本芸術文化振興会が運営する
     国立劇場(東京)
その他では
     御園座(名古屋)
     博多座(福岡)
が有名です。私は行ったことがないのですが
     金丸座(香川県琴平町)
があります。歌舞伎中心ではない劇場として
     シアターコクーン(東京)
     浅草公会堂(東京)
また、「松竹大歌舞伎全国巡業公演」などの巡業では各地のホールなどでも公演されます。

歌舞伎の公演予定は、「歌舞伎美人」と国立劇場へ定期的にアクセスすれば公演の予定を知ることができます。

松竹の場合、「歌舞伎美人」から「公演情報」をクリックすると公演中と近日公演の予定を見ることができます。
c0153302_119980.jpg


今日1月19日現在、公演中
     歌舞伎座:「壽 初春大歌舞伎」平成20年1月2日(水)~26日(土)
     新橋演舞場:「通し狂言 雷神不動北山櫻」20年1月2日(水)~27日(日)
     大阪松竹座:「壽 初春大歌舞伎」平成20年1月2日(水)~26日(土)
     浅草公会堂:「新春浅草歌舞伎」平成20年1月2日(水)~27日(日)
近日公演予定
     歌舞伎座:「二月大歌舞伎」平成20年2月1日(金)~25日(月)
     大阪松竹座:「坂東玉三郎特別舞踊公演」平成20年2月5日(火)~26日(火)
     博多座:「二月花形歌舞伎」平成20年2月1日(金)~23日(土)
     歌舞伎座:「三月大歌舞伎」平成20年3月2日(日)~26日(水)
     新橋演舞場:「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」平成20年3月5日(水)~25日(火)
     南座:「坂東玉三郎・中国昆劇」平成20年3月6日(木)~25日(火)
     大阪松竹座:「第五回浪花花形歌舞伎」平成20年4月5日(土)~13日(日)
     金丸座:「第二十四回四国こんぴら歌舞伎大芝居」平成20年4月5日(土)~23日(水)
     大阪松竹座:「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」平成20年5月4日(日)~27日(火)
と5月までに13の歌舞伎が予定されていることがわかります。公演名をクリックすると「上演時間」 、「演目と配役」、「みどころ」がわかり、料金もわかります。

国立劇場のHPの公演もHPで知ることができます。ここで「年間公演スケジュール(歌舞伎)」を探ると
     「通し狂言 小町村芝居正月」平成20年1月3日(木)~1月27日(日)
     「3月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎へのいざない」平成20年3月2日(日)~3月11日(火)
が載っています。国立劇場の歌舞伎鑑賞教室は歌舞伎初心者向けの導入として良いらしいのですがまだ観た事はありません。

これで見に行く公演を決めるわけですが、演目と配役を言われても判断できないのが初心者だと思います。私は好きな役者が出ているか、知っている演目があるか、時には新聞記事で決めます。最近は海老蔵の追っかけに近くなっています。また、市川猿之助一派のスーパー歌舞伎は今までも観て来ましたし今後も観て行こうと思っています。

[To be continue]
# by AT_fushigi | 2008-01-20 01:23 | 観劇・コンサート | Trackback | Comments(0)

歌舞伎「雷神不動北山櫻」-海老蔵!(III/E)

お弁当を食べ終わり、ゴミを捨てトイレに行くとそろそろ三幕目の開演のお知らせが放送されます。三幕が「歌舞伎十八番」の「鳴神」、大詰(最終幕)が「不動」であり、見せ場です。

三幕目

第一場 木の島明神境内の場

太秦にある木の島明神。巫女たち(8人)が踊って去る。そこへ、安倍清行の従者の紀定義(欣弥)が行方知れずの(実は早雲王子の執事・山上官蔵に深い穴に落とされた)主人が見つかるよう祈念に訪れる。明神様の池が干上がっているのを見て旱魃の世を嘆く。そこへ公家の文屋豊秀(段治郎)が雨乞いのため(取り戻した)「ことわりやの」短冊を持って現れる。二人はまずは安倍清行を探すことにした。
ここで二人は、清行を探すため客席(1階通路)を一周する。[私は通路に面した席だったのですぐ横を二人が通りました。その声の張りとか至近で聞くと素晴らしいと思いました。]
この時、明神様の巫女に誘われ安倍清行(海老蔵)が地中から現れる。定義と豊秀が清行を見つけ近寄る。[この時、舞台の前面で3人が出会い海老蔵も少し通路を歩くのかと期待しましたが...ちょっと舞台の裾だけでした。]
清行は気合とともに二人を眠らせる。そして、豊秀にだけこの旱魃が早雲王子の悪巧みであることを念力で伝える。早雲王子は鳴神上人を騙し朝廷に怨みを持たせ、上人が北山の大滝に竜神を封じ込めたので旱魃が起こった、この行法を破るには雲の絶間姫が良いと伝えると巫女たちを追いかけていく。
正気に戻った豊秀は清行の言葉を伝えに大内へ急ぐ。

第二場 北山岩場の場

北山の大滝。前面にしめ縄が張られ、傍らに鳴神上人の小屋があり、白雲坊(右之助)と黒雲坊(市蔵)が控えている。
そこへ美女がやってきたので二人は訝るが、上人が現れ話を聞く。美女は雲の絶間姫(芝雀)と名乗り、亡き夫の形見の衣を洗うため来たと言う。さらに、尋ねると、夫との馴れ初めから、初めて契りを交わした日のことを語る。この話に、世俗を離れていた純情な上人は気絶してしまう。姫は承認に口移しで滝の水を飲ませ介抱する。
気を取り戻した上人は姫を疑い、行方破りに来たのではと問い質す。姫はそのような疑いを受けるのは心外と滝に身を投げようとする。これにより疑いが晴れたので、上人は姫を弟子とすると言う。白雲・黒雲に剃髪の道具を取ってくるように命ずる。
二人が去ると、姫は急に癪を起こして苦しみだす。上人は言われるまま懐の中へ手を入れ介抱しようとする。その拍子に姫の乳房に触れ、その色気に迷って堕落してしまう。[ここの二人のやり取りは海老蔵では色気が足りない感じがしました]
上人は姫に還俗するので夫婦になろうと迫る。姫は夫婦の杯を交わそうと、お酒が飲めないという上人に無理やりお酒を飲ませる。したたかに酔った上人は、大滝に張ってあるしめ縄を切れば行法が破れるとの秘密を明かし寝入ってしまう。
この隙を見て、姫は岩を駆け上りしめ縄を切る。すると、滝壺に封じ込まれていた竜神が滝を登り空へ飛び去っていった。すると、雷が鳴り大雨が振り出した。姫は転げるように山を降りていく。
白雲・黒雲が戻ってきて、上人を起こすと、上人は憤怒の形相となり怒りを顕にする。[ここが一番の見せ場で、柔和な鳴神上人から怒りの表情や雷の文様の衣装に早変わりし、雷神に変身します。そして、怒りを表す演技を始めます。ここでの睨みなどが海老蔵の持ち味で期待した通りでした]

大詰

第一場 大内堀外の場

閉まった幕の前で百姓と巫女が言い争っている。巫女がこれは明神様への雨乞いが功を奏したといえば、百姓は早雲王子のお陰だとはやし立てる。そして百姓たちは早雲王子に帝になってもらおうといいながら去る。
恵みの雨に喜ぶ関白基経(門之助)の元へ文屋豊秀(段治郎)が駆けつけ、早雲王子の悪巧みと雲の絶間姫の行方破りを申し上げ、訴状を差し上げる。
基経が大内に向かうとそこへ山上官蔵(猿弥)が現れ、この雨は早雲王子が鳴神上人を討ち果たしたからだ、王子を新たな帝にするべきだと語る。しかし、豊秀は訴状を見せて降参するように諭す。官蔵が抗うのでこれを切り捨てる。

第二場 朱雀門王子最期の場

全ての悪事が明らかとなった王子(海老蔵)は朱雀門に立て篭もる。迫り来る追っ手を太刀で振り払う。[ここの立回りも見せ場。見得に場内大拍手。]
と、その時不動明王の声が響き渡り、悪の根元の王子は、退散させられる。

第三場

やがて、空中に(虚空に)不動明王(海老蔵)が現れ、天地の混乱と自然の摂理を収束させたと語り、飛び去っていく。[如何に空中浮上しているかを見せるのも時代ごとに工夫されてきたとのことですが、今回のは紐も棒も見えず空中に浮いた不動明王でした。種明かしは..想像なのでしないことにしましょう。]



3時間45分(休憩50分含む)の長い舞台が終わりました。

やはりお父さんの團十郎と比べてしまうのですが、良きにしろ悪しきにしろ、若いというのが第一印象です。いわゆる荒事、動きが大きく激しいところではいいところが出ますが、心理的な所や色気ではお父さんには敵わないです。この年とともに蓄積していくものはこれからの楽しみです。(なんか年寄りくさくなりました。その差が素人の領域の私でもわかったということです。)

今年も歌舞伎は面白い舞台が目白押しです。経済の許す限り行ってみようと思います。

PS:歌舞伎のチケットの買い方など2、3問い合わせがありましたので次回あるいは近々に「素人の歌舞伎のガイド」見たいなのをアップしようと思っています。
# by AT_fushigi | 2008-01-19 13:01 | 観劇・コンサート | Trackback | Comments(0)

風邪退散

ちょっと無理をしたので長引きました。

歌舞伎のチケットの買い方など2、3問い合わせがありましたので次回あるいは近々に「素人の歌舞伎のガイド」見たいなのをアップしようと思っています。
# by AT_fushigi | 2008-01-19 12:04 | Trackback | Comments(0)